AIに頼んだら、1回目でそこそこの文章が返ってきた。
でも、どこか惜しい。あと少しだけ直したい。
そこで「もっといい感じにして」と打ってみる。
すると、気に入っていた部分まで書き換えられる。あるいは、さっきより悪くなる。
「さっきのほうが、まだよかったのに」
そんな経験、ありませんか?

1回目はうまくいくのに、直しを頼むと毎回ぐちゃぐちゃになるんです…。
安心してください。あなたの伝え方が下手なわけではありません。
変えるのは、直しの「言い方」だけです。
前回の記事では、1回目の頼み方として「前提4点セット」を紹介しました。


今回は、その続き。
2回目の「直し方」を、言い換えの例と一緒にお伝えしますね。
「もっといい感じに」で、かえって悪くなった
フリーのライターとして、クライアントにメールを送るときのことでした。
AIが書いた下書きが、少しかたい気がしたんです。
そこで「もっとやわらかくして」と頼みました。
返ってきたのは、語尾に「!」が並ぶ、くだけすぎた文章。しかも、肝心の打ち合わせの日程が消えていました。
「そうじゃないんだけどな…」
と思い、もう一度「もう少しちゃんとした感じで」と頼むと、今度は最初よりかたくなる。
行ったり来たりを5回くり返して、結局、自分で書き直しました。
かかった時間は、最初から自分で書くより長かったと思います。
1回目の頼み方は覚えたのに、2回目でつまずく。
同じところで止まっている人は、意外と多いはずです。
直しがうまくいかないのはなぜ?
原因は、直し方にありました。
AIは、あなたが文章のどこに引っかかったのかを知りません。
だから「もっといい感じに」と言われると、全体を作り直してしまうんです。
もうひとつの原因は、言葉に基準がないこと。
「丁寧に」「短く」「わかりやすく」。どれも、人によって正解が違います。
前回の記事で、AIは「今日が初日の新人」だとお話ししました。
新人が出してきた原稿に「もうちょっと何とかして」とだけ返しても、良くはなりませんよね。
直しが必要になるのは、失敗じゃありません。伝えるのは「どこを」「どうするか」の2つだけですよ。
「もっといい感じに」をやめる言い換え10例
直す場所を1つ決めて、基準を添える。
私はこれを「1か所直し」と呼んでいます。
使い方は簡単です。AIの回答を読んで、引っかかった場所を1つ決める。そこに合う言い換えを下から選んで、送るだけ。
※〔 〕の中は、あなたの状況に合わせて書き換えてください。
長さ・量
- ①「短くして」→「〔200字〕以内に。結論を1文目に置いて」
-
「短く」だけだと、大事な部分まで削られます。字数と、残したいものを一緒に伝えましょう。
- ②「もっと詳しく」→「〔値上げの理由〕を2つ足して」
-
どこを詳しくするのかを決めないと、全体が水増しされてしまいます。
口調・敬語
- ③「もっと丁寧に」→「〔社外の部長〕宛て。くだけた言い回しをなくして」
-
丁寧さの基準は、読む相手で決まります。誰宛てかを伝えるだけで、言葉づかいが変わるんです。
- ④「やわらかく」→「お断りの前に、〔お誘いへのお礼〕を1文入れて」
-
やわらかさは、言葉より順番で出せることが多いもの。私が5回くり返したメールも、本当はこの一言で済みました。
- ⑤「かたすぎる」→「〔社内〕向け。です・ます調のまま、難しい熟語を言い換えて」
-
変えたいところと、変えたくないところ。この2つを分けて伝えます。
構成・順番
- ⑥「わかりやすく」→「箇条書き〔3つ〕に。各1行で」
-
「わかりやすい形」を、こちらで決めてしまいましょう。
- ⑦「読みにくい」→「1文を〔40字〕以内に区切って」
-
読みにくさは、1文の長さから来ていることが多いんです。数字で区切ると、ぐっと読みやすくなりますよ。
- ⑧「要点が分からない」→「いちばん伝えたい〔納期が1日延びること〕を冒頭に移して」
-
要点はAIに探させません。自分で指定します。
中身
- ⑨「なんか違う」→「〔2段落目〕の、〔新商品の説明〕だけ削って」
-
違和感の場所を、1か所だけ指してください。
- ⑩「もっといい感じに」→「読んだ〔課長〕に、〔予算を承認〕してほしい。そのために足りない情報を3つ挙げて」
-
どう直せばいいのか、自分でも分からないときがありますよね。そんなときは、AIに聞き返させるのが近道です。
言い換えのコツは3つ
ここで紹介した10個の例に共通するコツは、次の3つです。
- 場所を指す。何段落目の、どの文か。
- 基準を数字か相手で示す。字数・行数・誰宛てか。
- 1回に直すのは1か所。欲ばっても2か所まで。
3つ目は、私がいちばん痛い目を見たところです。
たとえば「短くして、丁寧にして、箇条書きにもして」と一度に頼むと、AIはまた全体を書き換えます。
どの指示で何が変わったのかも、分からなくなる。直したい場所が多いときほど、1つずつ。そのほうが、結果的に早く終わります。
毎回考えなくていい「直し方の型」
10個の例と3つのコツがあれば、今日の仕事からすぐ試せます。
ただ、毎日の仕事で使いはじめると、次の壁にぶつかります。
「毎回、どう言い換えるか考えるのがしんどい」
「直したら、気に入っていた部分まで変わってしまう」
「議事録や週次集計は、そもそも1回目をどう頼めばいい?」
私も、同じ壁で止まりました。忙しい日ほど「もっといい感じに」に戻ってしまうんです。
そこで、直し方を3行の「型」にしました。いまは、その型に埋めて返すだけです。
この型を含めて、実務で使う手順を1本のnoteにまとめています。
- 毎回考えなくて済む、3行の「直し方の型」
- 議事録・取引先メール・週次集計の、コピペで使えるプロンプト
- 数字の間違いを見抜く確認の手順
- うまくいったプロンプトを使い回す「プロンプト帳」
こんな人に向けて書いています。
- 1回目はそれなりに書けるのに、直しで迷う。
- やり直しを重ねて、結局自分で書いている。
- 帰る時間が決まっていて、AIとの往復に時間をかけられない。
定時に帰るためのAI実務プロンプト集|議事録・メール・週次集計を仕組みで片づける【コピペ用】
1回目の頼み方から読みたい人は、こちらの記事からどうぞ。


まずは今日、いまいちだった回答に、10個の例から1つだけ試してみてください。
1回で直らなくても大丈夫です。直す場所を1か所に絞れば、2回目の答えは変わってきますよ。






